ジュエリー用語/技法集あ~わ
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【ふ】ジュエリー用語/技法集 一覧
ファセットカット(Facet cut /Faceting)
宝石には色んな種類のカットデザインがあり、それぞれ名前があります。
カィングスタイルは大きく分けると、ファセットカットとカボションカットの2つに分けられます。
カボションカットは、半円のドーム状のカットになります。
『ファセット・カット』は、平らな面(ファセット)が連なったカットです。
透明な石が用いられ、輝きを強調するのに適したカットです。
ファセットカットにも、カットデザインにそれぞれ名前があります。
『ラウンド・ブリリアント・カット』は、ダイアモンドなどによく使われるカットです。
『オーバル・ブリリアント・カット』は、楕円形のカットです。
『マーキス・ブリリアント・カット』は、ラグビーボールのような先が尖ったカットです。
『ペア・シェイプ・ブリリアント・カット』は、洋ナシ形で別名ドロップ・カット(雫形)とも呼ばれて
います。
『ハート・シェイプ・ブリリアント・カット』は、ハートの形のカットです。
『プリンセス・カット』は、正方形のカットです。
『エメラルドカット』は、エメラルドによく使われるカットです。エメラルドは欠けや割れの性質が高
いため、コーナーがカットされ、この名前が付きました。
テーブル面が広いので、宝石のクラリティ(透明度)を引き立たせるカッティング方法ともいえます。
『オーバル・ミックス・カット』は、楕円形のカットで、オーバル・ブリリアント・カットより細かく
カットされています。
『バケット・カット』長方形のかっとになります。
『テーパー・バケット・カット』は、細長い台形の形になります。
フィギュラルジュエリー(Figural jeweiry)
動物や植物、魚、人間などをモチーフにしたデザインジュエリーになります。
モチーフジュエリーの事です。
フィリグリー細工(Filigree)
フィリグリー細工は、日本では「銀線細工」「平戸細工」「金銀細工」とも言い伝統技法になります。
銀を細い糸のように伸ばして線にして2本の線をねじり1本の線にして、ジュエリーの型枠に模様を作り
ながらはめ込んだり、形を作ってからはめ込む繊細な細工になります。
手作業で様々な形に作り上げる、熟練の技が必要な技法です。
銀よりも硬い金を使う金線細工もあります。
仕上がりはまるでレースのような繊細なジュエリーです。
フェイクパール(Fake Pearl)
簡単なフェイクパールはボヘミアやヴェネチアでよく作られていました。
模造パールはガラスやプラスチックの核に魚のうろこ(エッセンス・ド・オリエント)から採取する箔
の粉末をペーストに溶かしてガラスなどに塗り重ねて作られています。
そのためガラス産地からフェイクパールが作られています。
フェイクパールは、ガラス、プラスチック、貝殻を核とした貝パール、コットンを圧縮したコットン
パールがありますが、ヴィンテージのフェイクパールはガラス核が多いです。
シャネルは、ルイ・ロスレーやグリポワ工房に材料をオーダーしていました。
ミリアムハスケルは、ヴェネチアで買い付けていましたが、1949年に日米関税が緩和され品質のよさ
もあり日本製のものが多くなりました。
ピンクやグレーなどカラーパールも多く作られています。
パールはシャネルの代表作でもありますが、シャネルの方はナチュラルなクリームカラーが多いです。
アメリカの大統領夫人ジャックリーヌ・ケネディ・オナシスは、1960年代のファッションリーダーでもありました。
本物の宝石よりもコスチュームジュエリーの方が好きで、膨大なコスチュームジュエリーを所有していました。
中でも3連のフェイクパールネックレスがお気に入りで、そのネックレスを付けた写真が数多く残されています。
フォイルバック(Foilback)
ラインストーンの輝きを高めるために、金属の箔を底に張り付けたり塗ったりする技法です。
光が金属の箔に反射して輝きが増します。
フォーリアット(Foliate)
葉の形をした装飾のことです。
ブローチの種類
ブローチの種類は、留め金具の種類で分かれています。
『ブローチ・ピン』ピンを受ける金具の種類によって「風車式」「鉄砲式」の2種類があります。
『スティックピン』長いピンの先に飾やキャッチ(受け金具)が付いたブローチでピンブローチともいいます。
『タックピン』短いピンを刺して留めるブローチ「タイニーピン」「スタッドピン」とも言います。
『クリップ』バネで挟んで留めます。
ポケットなどに飾る記章やアンティークのアールデコスタイルのブローチに見かけます。
服にブローチを付けるときは、ピン先を外側に向けます。またピン先を下に向けて留めます。
もし、何かの拍子に留め具が外れた場合も、服から抜け落ちてしまうのを防ぐ意味もあります。
プラチナジュエリー
プラチナは、1751年にイギリスの科学者ウィリアム・ブラウンリッジと、チャールズ・ウッドの2人に
より、英国王室学会で、その性質が他の貴金属と違うことが報告され、知られるようになりました。
プラチナは「溶けない金属」でしたが、1900年頃ドイツ人のヴィルヘルム・カール・ヘラウスが、
プラチナの溶融の新しい方法を発見し、使われるようになりました。
1898年宝石店、ルイ・カルティエがジュエリーにプラチナを本格的に使うようになりました。
プラチナは白い輝きが永遠に変わらないこと、銀よりはるかに細かく細工できること、石留めの爪を小
さくし宝石の輝きを十分に発揮できる理由で、ジュエリー界に大きく進出しました。
これ以降ヨーロッパ各国の王室にとって、もっとも大切なティアラはほとんどプラチナで作られています。
英国エリザベス皇太后の王冠もプラチナ製です。
1937年に夫君のジョージ6世即位式に使うため皇太后が作られたもので、ダイヤモンドは2822個使っ
た豪華な王冠です。
英国で生産されたプラチナ製品には全て、オルブ(Orb)が刻印されています。
オルブは宝珠(オルブ)の刻印で表されており、プラチナであることを示しています。
プリカジュール(Plique a jour)
地金の隙間にエナメルを施す技法で、金属の枠にエナメルを入れます。
エナメルは光を通すので、まるでステンドグラスのような透明感が生まれます。
プリカジュールは七宝焼のひとつ省胎七宝ともいわれています。
フルーツ(Fruits)モチーフ
たわわに実って美味しそうなフルーツは、カラフルな色と形がコスチュームジュエリーのモチーフとして
よく使われています。
果物と小枝をモチーフにしたサラコベントリーの「オーストラリアンフルーツ」や、
カルティエがムガール王朝のマハラジャからオーダーを受けて制作した色とりどりの貴石をセットする
「トゥティフルッティ(様々な種類の果物を砂糖漬けしたもの)」からヒントを得て作られた、トリファリ
の「フルーツサラダ」シリーズなど。
様々なコスチュームジュエリーブランドがフルーツモチーフのジュエリーを手掛けています。
ベークライト製のフルーツや、ラインストーンを埋め込んだルーサイト製のフルーツなど、フレッシュで
可憐な表情が可愛いジュエリーなどがあります。
フルール・ド・リス
フランス語ではユリの花という意味ですが、アヤメ(アイリス)の花をモチーフにした紋章の名としても知られています。
フルール・ド・リスはフランスの紋章にも使われ、ゴシック以降の様式やアールヌーヴォーでよく見られる植物文様です。
フルーツサラダ(Fruits salad)
フルーツサラダは、カラフルな色のガラスやプラスチック、ラインストーンを使って花や葉などをかたどった
コスチュームジュエリーになります。
カルティエがアールデコ様式で流行させたトゥッティ フルッティをトリファリがシリーズにした名前です。
ブレスレットの種類
ブレスレットには、『チェーン・タイプ』『連タイプ』『バングル・タイプ』『ヒンジタイプ』があります。
『チェーン・タイプ』貴金属チェーンのブレスレット。チャームを付けた「チャーム・ブレスレット」
や「テニスブレスレット」もあります。
1987年アメリカのテニスプレーヤ、クリス・エバートさんが、試合中に細めでたくさんのストーンが
あしらわれたブレスレットを付けていたのがきっかけで、テニスブレスレットと呼ぶようになりまし
た。
『カフブレスレット』は、幅が広く、洋服の袖のような形のブレスレットです。
『連タイプ』パールなど丸玉を連ねたブレスレット。
『バングル・タイプ』留め具のない円形のブレスレット。
バングルは輪になっていて、手を通してつけるタイプになります。
『ヒンジタイプ』留め具のある円形ブレスレット。
手首ではなく、腕の上部に付けるものは、アームレットと呼びます。
歴史もとても古くからあって、昔は宗教的な目的で付けられておりました。
日本でも、縄文時代から既に付けられていました。
フレンチジェット(French jet)
古代の植物が流木となって化石化したのをジェットといいます。
そのジェットを模して造られた黒いガラスをフレンチジェットと言います。
ジェットでご紹介しています。
フローレンスモザイク
16世紀後半にイタリアのフィレンツェで発達した石のモザイク装飾技法です。
「フローレンス」は、フィレンツェの英語名になります。
フローレンスモザイクは硬い石の意味で、イタリアの古い言葉で「ピエトラドュラ(Pietra
Dura)」ともいいます。
特徴は黒い大理石の台座にスライスした半貴石のオニキスやラピスラズリ、ターコイズなどをはめ込む
石の象嵌になります。
隙間なくはめ込み、凹凸のない表面はまるで絵画のようです。
「モザイクジュエリー」は「も」でご紹介してます。
「ローマンモザイク」は「ろ」でご紹介してます。